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遊びのように仕事ができる人が生き残る時代。  ~中村伊知哉学長×夏野剛氏~

 

近い将来、AIが人間の仕事の多くを奪うと言われている中、これからの社会を担う若者たちは何を学べばいいのだろうか。
そんな社会的な問題に一つの答えを出そうとしているのが、2020年に開学が予定されているi専門職大学だ。
若者の可能性を広げるために必要なこととは、これからの時代に求められる力とは何か?
i専門職大学の学長に就任予定の中村伊知哉氏と慶應義塾大学政策・メディア研究科特別招聘教授の夏野剛氏が大いに語り合った。

 

 

人間にできてAIにはできない、二つのこと

――AI時代、ICT人材不足の中で求められるのはどのような人材でしょうか?

 

夏野:まず、AI 時代というのはこれから本格的に到来するということを認識しなければなりません。
これから10年後、20年後、人間のやっている仕事の半分以上は間違いなくAIに取って代わられるでしょう。
では、そのとき人間はどのような仕事をすべきか。実は人間にできてAIにできないことが二つあります。

 

それは「創造」「想像」です。

 

新しい何かを「創造」するために必要なものは、こんなものがあればいいとか、こんな世の中にしたいという人間の想像力です。
「創造」が注目されがちですが、その源にあるのは「想像」です。ですから、これから求められる人材とは、あらゆるものを生み出す豊かな想像力を持った人材だと言えるのではないでしょうか。
しかし、残念なことに現在の日本の初等教育や中等教育においては、暗記と機械的計算というのが主です。
これは「創造」と「想像」をまったく要求しない教育ですので、新しい教育体系をつくっていかなければ日本の将来は危ういと感じています。

 

 

中村:ICT人材の不足が叫ばれていますが、これは30年以上前からすでに日本の大きな課題となっていました。しかし、ICTがここまで社会に浸透している今、ICT人材が足りないというよりは、どのような産業に携わっているかにかかわらず、すべての人にICTとかAIのリテラシーが求められているということだと思います。

だからこそ2020年から小学校でプログラミングが必修化されるのでしょう。AIが人間の仕事を奪っていくことで、これから多くの人がたくさんの時間を持て余すようになります。
そうしたAIによって変わっていく世界を楽しめるような人材こそ、これから必要だと思っています。

 

――ICTの進展とともに社会の価値観も大きく変容しているように見えます。

 

夏野:いちばん大きいのは、仕事と遊びの区別がつかなくなったことです。今、働き方改革が叫ばれていますが、制度的には労働を時間で区切る20世紀の遺物をいまだに引きずっているように見えます。むしろ今、いちばんアウトプットしているのは、遊びのように仕事をしている人です。
自分の好きなものであれば、誰でも遊びのように夢中になれるはず。そんな自分の好きなものを仕事にするときに、ICTは大きな味方になってくれるのです。

 

中村:過去20年ほど経済が停滞する中で、大企業の力が昔より小さくなったと考えています。その結果として、一流大学から大企業へという強固な価値観が、よりフラットなものになった。これまでの古い価値観に縛られることなく、誰もがいろんなこと、好きなことができる社会になったと感じています。

 

夏野:ICTが組織と個人のパワーバランスを決定的に変えました。インターネット検索によって、組織に属していなくても情報収集できるようになり、SNSを使えば場所や時間に関係なく、個人で情報発信できるようになったことで、組織の中で才能を発見し、伸ばしていくという時代が終わってしまった。

 

20世紀と21世紀では生き抜く力はまったく違うのです。これからのプロフェッショナルは、組織に依存せずに活躍できる人です。
その意味では、すべての人に、さまざまな可能性が広がっていると言えます。

 

 

 

新たなビジネスを生み出すプラットフォーム

――そうした新しい可能性が広がる中、i専門職大学を設立される理由とは何でしょうか

 

中村:ICT社会を実現させるうえで大きな役割を果たしてきたのが、アメリカの大学です。
たとえば、グーグルはスタンフォード大学、フェイスブックはハーバード大学というようにアメリカの大学は新しいビジネスを生み出すプラットフォームとなってきました。
日本もすばらしい商品やサービスを生んできましたが、大学という場を使って生み出してきたかというと、そうではないんですね。
私は長年そうした場を日本につくりたいと考えていました。しかも、これまでの大学という枠に収まらない大学をつくりたいと。
そうした考えを実現するために設立されるのが、i専門職大学なんです。私が今18歳ならどんな学校に入りたいのかを思い浮かべて、多くのアイデアを集めながら、新しい大学の姿をつくり出そうとしているのです。

――i専門職大学の特色とは何でしょうか。

 

中村:ICTとビジネス、英語を徹底的に学ぶことを基本とし、ICTを生かしたビジネスを実践する場にしたいと考えています。
それを企業でも学びましょうということで、学生1人あたり600時間以上のインターンシップを経験する機会を提供するなど、ハンズオンのリアルプロジェクト教育にも重点を置きます。

すでにICT、通信、エンターテインメントなど40社以上の企業から賛同を得ております。また、キャンパスを東京都内2カ所に置き、さまざまな実験や試みができるICT特区のような環境にしたいと考えています。米国のシリコンバレーのように、産業界と一緒になって学生を育成していきたいんです。

 

 

 

 

人生100年時代に好きなことを見つけられる場所

――日本電子専門学校を経営する電子学園だからこそ、学べることとは何でしょうか。

 

中村:電子学園がこれまで積み上げてきたICT教育を基盤に、プログラミングやAI、ビッグデータなど、幅広いICTスキル教育を展開していきたい。
専門学校を大学にしようというものではなく、電子学園が長年、培ってきた実績と信頼、教育ノウハウを生かして、これまでとはまったく違った新しい大学をつくり上げていきたいと思っています。

 

――i専門職大学の学生に期待することは何ですか。

 

夏野:好きなことイコール自分が向いていることなんです。それがビジネスになるかどうかはわかりませんが、好きなことであれば、「創造」も「想像」もいくらでもできる。
プロフェッショナルになりたいのであれば、好きなことを見つけるのがいちばんの近道です。ですから、i専門職大学を、自分の好きなことや自分の向いていることに出合う場、今の自分に何が足りないのかについての気づきを得る場にしてほしいですね。結果として、自分のさまざまな知恵を駆使して最後まで生き抜く力を持った学生、つまり、卒業後すぐ即戦力になったり、在学中から起業して上場させたりするような人材が次々と輩出されることを期待します。

 

――最後に読者にメッセージをお願いします。

 

夏野:これまで、新しいことにチャレンジするときにはリスクが伴うものでしたが、21世紀にICTが大きく進展したことで、このリスクは大幅に軽減されました。
つまり、組織や過去の経験に裏打ちされたものがなくても、チャンスは誰にでも平等にある社会になったのです。さらに言えば、新しいことにチャレンジするときのハードルも非常に低くなりました。今は助走期間が少なくてもジャンプできる時代です。だからこそ、失敗してもすぐにやり直せる。
そうした時代を迎えた今、それでも伝統とレガシーのある大学に入ることが安全だと思いますか?ぜひ新しい取り組みを行おうとしているi専門職大学に興味を持ってほしいですね。

 

中村:世界にない学校をつくる。そんな私たちの挑戦に興味のある方には、ぜひ私たちの門を叩いてほしい。
その門こそ、これからの若者たちにとって、大いなるチャンスの扉になると思いますので、その扉はいつでも開けておきます。
そう言う私も、人生100年時代といわれる中で、あらためてi専門職大学で学び直したいと思っています。ぜひ、多くの皆さんと一緒に学べることを願っています。

 

 

制作 :東洋経済企画広告制作チーム
2018年7月20日 『東洋経済オンライン』に掲載された記事広告

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